[201] 直径12.7cmのグレープブルーツ2012/05/22 23:11:29

想像してみてください…

直径12.7cm…というと、ソフトボールより少し大きい、ちょっと大きめのグレープフルーツという感じでしょうか。そんな球体を想像してください。このグレープルーツは、1日に1回、自分自身がグルッと芯を中心に回転しています。

直径14mの火の玉…

このグレープフルーツから距離を隔てること1500mつまり1.5km。ここには直径14mという、バカでかい火の玉が燃え盛っています。しかし、いくら直径14mと大きな火の玉でも、さすがに1.5kmも離れたグレープフルーツから見ると小さな玉にしか見えません。グレープフルーツは、この火の玉の周りを半径1.5km、直径にすれば3kmの円を描いて1年かけて1周しています。

直径3.5cmのスダチ…

直径3.5cmというと、ピンポン球よりも一回り小さい、スダチという感じでしょうか? さっきのグレープフルーツから3.8mほど離れたところには、このスダチがあります。そして、このスダチは、直径7.7mの円を描いて、30日かけてグレープフルーツの周囲を回っています。スダチはグレープフルーツから3.8mの周囲を回りながら、グレープフルーツと一緒に、巨大な火の玉から1.5kmの周囲を回っているのです。

スダチと火の玉

スダチがグレープフルーツを回っている面と、グレープフルーツが火の玉を回っている面は、同じ面上にはなく、互いに傾いて交差しています。グレープブルーツを挟んで、火の玉の反対側にスダチが来ると、火の玉の光を受けて前面が(ほぼ)まん丸に反射して光って見えます。でも、時々、(二つの面が)傾いていて(普段は)少し上下にズレていた火の玉-グレープフルーツ-スダチが(ほぼ)一直線に並んでしまう時があります。そうすると、グレープフルーツの陰にスダチが入ってしまい、その陰の部分は光が直接当たらずに暗くなってしまいます。グレープフルーツの陰に、スダチがすっぽり全部入ってしまう時もあります。

それでは、グレープフルーツから見て、火の玉の方向にスダチがある時は、どうなるでしょうか? 実は、スダチと火の玉は、見かけ上、ほぼ同じ大きさに見えます。火の玉はスダチより400倍も大きいのですが、距離も400倍離れているために、ほぼ同じ大きさに見えてしまうのです。3.8m離れた直径3.5cmのスダチは、少しでも上下にズレれば、火の玉に重なることはありません。この時、火の玉が眩し過ぎてスダチを見ることは出来ません。でも、こちらも時々、火の玉-スダチ-グレープフルーツ、と一直線に並ぶ時があります。そうすると、どうなるでしょうか? グレープフルーツから見ると、スダチと火の玉は、ほぼ同じ大きさに見えます。うまく並べば、ちょうど火の玉がスダチにすっぽりと隠れてしまいます。

スダチは半径3.8mの円でグレープフルーツの周囲を回っていると書きましたが、実は楕円を描いていて、近いところで3.6m、遠いと4mくらい離れます。近いところならば、火の玉は全部隠れますが、遠いところでは火の玉よりもスダチの見た目の大きさが小さいので、ピッタリ重なってもスダチの周囲に、リングのように火の玉が見えることもあるのです。

来年5月…

火の玉-スダチ-グレープフルーツ、と(ほぼ)一直線に並ぶことは、それほど珍しくなく、年に何回かは起きているのです。でも、スダチの陰は小さくてグレープフルーツのごく一部にしか落ちてこないし、グレープフルーツは自分自身が回転している上に火の玉の周りを回って動いているし、さらにスダチも動いているので、グレープフルーツのある特定の場所に限れば、滅多に起きないことで、しかも長い時間は続きません。こんな機会が日本に訪れたのに、日本にいなかったのは、悔しいです…。でも、来年5月にはPNGでも見られるらしい…。その時、PNGにいるのかな? 1億分の1の地球と太陽と月でした…