[196] 世界最先端へ一気に飛躍2011/12/28 20:41:36

一気に世界の先頭に…

この年末、これまで世界で最も遅れていた国が、一気に世界で最も進んだ国一大飛躍を遂げます。あまり知られていませんが… それは、私も滞在していたサモア独立国(以下、「サモア」といいます)…

これまで、サモアはGMT-11(グリニッジ標準時より11時間遅れ)。世界で一番遅く最後に1日が終わっていく国でした。それが、この年末、12月29日の翌日を12月31日として、12月30日を飛ばしてしまい、一気に時計を24時間進めてGMT+13と世界で一番最初に1日が始まる国へと大躍進します。今までは、日付変更線はサモアの西側を通っていたのですが、この日以降、サモアの東側、(これまでの時間を変えない)アメリカン・サモアとの間へと移ることになります。

2012年を最初に迎えるのは…

西暦2000年や21世紀(2001年)を迎える頃には、随分と話題になりましたが、さすがに最近はあまり注目されていません…が、このサイトを見ると、最初に2012年を迎える国としてサモアが記載されています*

*このサイトでは、サモアがサマー・タイム(DST)を実施中(GMT+14)と記載しています。一応、私が調べた限りにおいては、DSTを実施中のようで、確かに世界で最初に2012年を迎えるようですが、最終的な確認は取れていません…⇒おかげさまで、現地在住の友人から「DST実施中」との確認が取れました。加納さん、ありがとうございます[内容更新]

混乱は少なくなるでしょう…

サモアは、かつてドイツに支配された影響からか、その後ニュー・ジーランドによる国連信託統治領となっても、車の通行は右側でした。しかし、人・モノの交流など、当たり前にニュー・ジーランドや、オーストラリアとの関係は強く、2年ほど前には、自動車の通行もイギリス式(日本と同じ左側通行)に切り替えました。そういう意味では、お隣のアメリカン・サモアがアメリカの影響を受けているのと好対照です。今回のサモア標準時の変更で、ニュー・ジーランドやオーストラリア、さらに同じ南太平洋の島国であるフィジーやトンガとの間を行き来する度に、いったい何日なんだか訳が分からなくなっていた混乱は少なくとも解消されそうです。

時差…

海外に出かけると、ツライのは時差…。これも、探っていくと、けっこう奥が深いです。ちょっとデータが更新されていないようですが、このサイトを見ると、各国で実際の地理的な場所とは異なった設定が見られます。以前も[004] 時差についてで書きましたが、シンガポールは、1年中サマータイム(Daylight Saving Time)をやってるようなものです。

国の標準時と国際日付変更線

ところで、「国の標準時」というのは、それぞれの国が、いわば勝手に(どこかの条約とか、国際機関の承認とかは不要で)決められる(それが国の主権という?)ものなのでしょうか? 今回のサモア政府の決定は、結果的にInternational Date Lineを動かす(世界地図を描き変える)ことになると思うのですが…。極端な話、日本政府が「JST(日本標準時)をGMT+9(現行)から、GMT-15(現行より1日遅れ)にします!」って言ったら、日付変更線は、日本海を通ることになっちゃうんでしょうか…?