[202] 2人の首相⇒ゼロ人の首相…2012/05/29 21:21:44

今日、とつぜん…

首相がいなくなりました。これまでの経緯がわからないと訳わからない(経緯がわかっていても、訳わからないけど…)ので、ヒマだったら、このブログで書いてきた[193] 前首相の復権や、[194] 政府も揺れれば地面も揺れる[198] 地滑り&反乱騒ぎにサッと目をとおしていただければ…と思います。出来れば[199] 今PNGで起きていることで紹介したオセアニア学会ニュース・レターに寄稿を読んでいただくと、さらにこれまでの経緯が分かると思いますが…。

選挙に突入と最高裁の判決…

10日ほど前、5月18日には5年に1回の国会議員選挙が公示され、22人の州知事を兼ねるProvince選出議員と、89人のDistrict代表の、合計111の議席を目指して、24日の締め切りまでに約4千人が立候補したということです。そんな選挙のさなか、昨年12月に続き、またしても最高裁が、実権を掌握してきたO'Neill首相ではなく、Somare首相の復権を認める判決を5月21日に出しました。Somare首相は自分の正当性が認められた、と首相認証を求め、O'Neill首相は自分の政権の正当性を主張し居座り続ける…と、まるで昨年12月の再来。総督は「選挙の結果が出て新しい首相が決まるまで、どちらも認証しない」と(前回の揺れた経験からか?)言い残してエリザベス女王の祝賀式典出席のために英国に出発。そして、Namah副首相は警察や軍を引き連れて最高裁に乗り込み、自分たちの政権を違憲とした最高裁長官を騒乱罪で逮捕 さらにO'Neill首相は首都特別州を含む3州に非常事態(State of Emergency)を宣言するなど、大変な騒ぎのようですが、街は普段どおり…。

そして誰もいなくなった…

そして、今日(5月29日)、これまで最高裁の判決を受け容れなかった国会は一転して、Somare氏を首相とする最高裁判決を認めました。それに続いて、「Somare氏は国会を3回連続して欠席した」として、憲法の規定により「首相は空席である」とし、明日(5月30日)新首相を選出することと決定しました。なので、昨日まで「2人の首相」がいたPNGは、今日は「0人の首相」となったのです。参考:Radio Australia News

新首相は誰に…

おそらく、国会で多数派を占めるO'Neill氏が9割方指名されると思います。でも、一番の暴れん坊Namah副首相が実はウラで固めていて、明日突然に首相になり、念願だった「選挙を半年延期する」という可能性が7%、そしてSomare氏が復活する可能性が3%、と勝手に予測しています。どうなることやら…って、このまま順調に選挙が進めば7月末には新首相が改めて選出されるはずなんですけど…それにしても、小学校の学級会か?って感じ…。もっとも、どっかの国の国会も政権与党が基本政策を巡って党内対立…だから、偉そうなこと言えません。どちらの国も、そんな議員を選んだのは国民であります…