[194] 政府も揺れれば地面も揺れる ― 2011/12/14 23:52:19
二人の首相?
PNG(パプアニューギニア)では、
Michael Somare前首相は、今年(2011年)4月中旬からシンガポールで手術と療養を続けていました。首相引退の時期や、後継選出の手続きなどが取沙汰されている中、 [184] ついに首相交代で書いたように、8月2日(火)午後の国会で、首相不在動議が可決され、新首相としてPeter O'Neill氏が選出されました。
その後、Somare前首相側は、新政権の合憲性に関して最高裁に提訴し、9月4日にはSomare前首相が入院していたシンガポールから帰国しました。Somare前首相は、自らを合法的な首相であると主張する一方、O'Neill新首相も「PNGに首相は一人しかいない」と、自らが唯一の首相と主張していました。9月6日の国会では、首相席にはO'Neill新首相が座り、Somare前首相は車椅子で議場に入ったものの、開会の祈りが捧げられた後、退場し、事実上O'Neill新首相の政権となっていました
その後も、O'Neill新首相が実質的に政権を握り、省庁の幹部交代や、2012年予算の国会に提出などがすすめられてきました。そして、先週12月9日の金曜日に、このO'Neill新政権の正当性に関する最高裁の判決が出される予定でした。
結局、[193] 前首相の復権で書いたように、12月12日の月曜日に3対2で下された最高裁判決は、主に以下のような内容となりました。
- 8月2日のSomare氏の首相退任は違法
- 9月6日のSomare氏が国会議員資格を失ったとする議長決定は違憲
- O'Neill氏を首相とした国会の指名は違法
- Somare氏の首相地位を復活
揺れる政府…
12月14日、Michael Ogio総督は最高裁決定に従い、Somare首相以下19人の閣僚を認証したとされています。一方、O'Neill氏側は、引き続き、国会の支持を受けているのは自分だとして、首相を譲る気配はありません。PNGの政府は揺れています!…
揺れる地面…
そんな中、当地の14日午後3時過ぎ、体感で震度3程度の地震がありました。首都Port Moresbyでこれだけの揺れを感じたのは赴任以来初めてです。慣れない現地スタッフは外に飛び出しましたが、地震に慣れている日本人は至って平気。PNGの地面も揺れています!…
これから…
地震の規模はM7.3と大きかったものの、震源の深さが約120kmと深く、都市部からも離れていたことで、津波の心配も、大きな被害も無かったのが幸いでした。明日以降、どんな方向に進むやら…
参考:Radio Australia News
The Sydney Morning Herald
U.S. Geological Survey
Pacific Tsunami Warning Center
コメント
_ Kuron ― 2011/12/15 01:08:39
_ ガッチャン ― 2011/12/15 19:50:05
ありがとうございます。
地面の揺れは、その後はないけど、政府の揺れは収まる気配がありません。どうなることやら…。
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気をつけられるものでもないですが、
海外で地震って、洒落にならないくらい心配です。
強運の持ち主のガッちゃんさんだから大丈夫だとは思いますが。。