[037] ビュッフェにて2006/04/18 03:21:34

列車のビュッフェ

今回は、1981年11月にに発売されたYumingのアルバム「昨晩お会いしましょう」の3曲目に収録されている「ビュッフェにて」というタイトルに関連する話です。……が、今回はYumingの曲の中身とは、ちょっと離れた話ですね。ゴメンなさい……。

今となっては懐かしい、初代新幹線車両0形には、ビュッフェ車両が連結されていました。ビュッフェ[buffet]には、「駅や列車内で、食事や飲み物を注文できるカウンター」(参考:OXFORD Advanced Learner's DICTIONAY)といった意味があります。最初に新幹線に乗ったのは、今から25年以上前の夏休み。大阪の万博に行く時でした。ビュッフェに行くと速度計があって、200km/hを超える表示に感動したものです。

恐らく、Yumingの「ビュッフェにて」も、歌詞の内容から想像するに、(こちらの)列車のビュッフェを意味しているのでしょう。

もう一つのビュッフェ

ただ、最近、ビュッフェと使うのは、ほとんどが別の意味。「(大皿から)客が自分で料理を取りわける食事」(参考:同)といった意味の方です。一般的に、ホテルのレストランでのビュッフェといえば、別の言い方をすれば「食べ放題」の食事です。(ちなみに、日本の某ホテルが使い出した「バイキング」というのは一般用語ではなく、海外ではまず通じません さらに「ビュッフェ」と言っても、まずこちらも通じません。むしろ「バフェッ」っと発音するくらいのつもりでちょうど良いと思います…)

週末、お世話になったご夫妻が日本に帰国されるので、ジャカルタでも比較的好評なホテルのビュッフェをご一緒した。夕方6時から10時過ぎまで粘り、本当によく食べました。「食べ放題」だと、ついついダイエットを忘れてしまうのは、育ちが貧しいのでしょう…

気になる人たち

さて、ジャカルタでのこんなホテルでの食事にお決まりの光景は、子供の面倒を見るベビー・シッターです。席でじっと食べることのない「暴れん坊」の子供の面倒を見る彼女たち自身は、決してビュッフェを食べることはありません。最初は、「何故、彼女らには食べさせないのだろう?」「(雇い主は、一人分追加して払えない人たちじゃないのだから)一緒に食べさせればいいのに…」と思っていました。

だが、冷静に考えてみると、恐らく住み込みで働くベビー・シッターの月給は、500,000ルピアもあれば高給な方でしょう。今回のビュッフェの値段は、税サ込みで約240,000ルピア。現在のレートではルピアが強く3,200円くらいになりますが、ほぼ平均的なジャカルタでのホテルのビュッフェといえるでしょう。

だとすると、このビュッフェ1食は、彼女たちの半月分の給料になってしまいます。そう思えば、彼女たちは「仮にホテルのビュッフェ1食を食べさせてもらえるくらいならば、その分を現金でもらう」方を確実に選択するでしょう。そして、そんなことなど、決してあり得ないのであります…。

これが現実

「床にモノを落としても、決して自分では拾わない肥えた子供」の面倒を見る彼女たちには、故郷に同じ年代の子供がいたりして、そのために毎月の稼ぎから仕送りし、そのお金で子供と年老いた両親が、実は田舎では十分に食べていけたりするわけです。2億を超える人たちが暮らすインドネシアの現実の姿(ある意味で奥が深いのですが…)が垣間見れる気がします……で、明日から、ミャンマーへ行ってきます!

内容は基本的にそのまま、一部表現を微修正しました。[2010年02月11日]