[090] 5cmの向こう岸2007/05/05 01:20:13

遠い、遠い、向こう岸

今回は、久々にYumingネタです。1980年6月にに発売されたYumingのアルバム「時のないホテル」の7曲目に収録されている「5cmの向こう岸」がテーマです。

この曲、簡単に言えば「(彼よりも)5cm背が高かったために、周囲の目を気にして別れてしまったけど、本当は見た目なんかよりもっと大事なモノがあることに後から気づいた」という(女のコからの)見方が、比較的明るめ?のメロディーで歌われている曲です。

身につまされた内容…

文部科学省の統計によれば、日本人成人女性の平均身長は158cmくらいで、標準偏差が5cm…、とくれば、かなり多くの女性が自分の身長+5cmくらいに当てはまるわけです。そういえば、(もちろん他にもステキな女性は周囲にいっぱいだけれど)自分の身長よりも5cmくらい高い女性って、ステキな人が何人も思い浮かんでくるわけで…。

中学1年生の時に、背の順に並んでいた仲間が、次々と裏切り背を伸ばしていく中、結局、ほとんど成長しなかった!(カラダだけじゃなく、気持ちもか?) 中学・高校と共学だったにも関わらず、ほとんどモテた記憶(事実)が無い 「ふん、外見はダサイけど、本当の中身が優しいのを、みんな(女子は)気づかないだけなんだ!」などと自分で言い聞かせてみても、虚しいだけ…

でも、ホントの問題は「自分がモテないのは、外見のせいだ」なんて気持ちでいること。そんな男のコなんて、誰も好きになってくれない…。問題は、そういうさもしい心の中で、そんな奴が「本当の中身が優しい」訳がありません…。なんて言えるのは、30年以上も経ったから?

それでも、見た目は大事だよぉ…

玉川カルテットの「金もいらなきゃ女もいらぬ私しゃも少し背が欲しい。」というギャグを聞きながら、「うーん、(俺は)全部欲しいなぁ」なんて思ってしまい、そもそも、小さい頃は病弱だった自分が丈夫に育っただけでも感謝しなくっちゃいけないのに、人間って贅沢で勝手です。

一方で、昔の日本の総理大臣がサミットとかで並んで記念撮影をすると、一人だけボコッと凹んでいて、やっぱり見た目が貧相だって思ってしまいます。その点では、最近の小泉さんとか安倍さんとかは、カッコイイかな

昨年、あるプロジェクトのスタートに際して訪問したジャワ島の地方都市で、挨拶をしましたが、その時、先方の県知事が(インドネシア語の挨拶なんで、少ししか聞き取れなかったけど)「日本人でも、こんな背の小さな人が…」と話しているのを聞き、不愉快になりました。もっとも、自分自身が「『そういう見方をしてる』のだから仕方ないか…」と、後で納得。外交の世界でも、見た目は大事。やっぱり日本国特命全権大使も、見劣りして欲しくないですもんね!

コンプレックス

(今の姿からは「信じられない!」と言われますが)小児喘息でカラダが弱くスポーツが不得意。それだけで、年頃の少年には大きなハンディ そして、何より背が低いことは、大きなコンプレックスだったのだと思います。先日も、二十数年ぶりに再会した友人から「お前がいると(同じように背が低い)俺が、『こまわり』って言われずに済むから、良かった!」と、ミョーな感謝をされました。

でも、考えてみれば、大きな病気やケガもせず、元気であちこち飛び回っていられることに本当に感謝しなければなりません。

最近、満員電車で、人の目の高さで前に携帯を突き出してメールを打つ奴、アタマの真後ろに新聞や本を広げる奴に出合います。本当に失礼で反射的に振り払いたい衝動に駆られます。もし、もし、身長が185cmくらいあったなら、こんな不愉快な思いをすることもないのだろう! やっぱり、背が高かったら、満員電車での視界も違うし、世界が変わっていたのかも? あのコや、あのコ、あのコとの運命も変わってたかもしれません……ってな訳ないですね(結局、全然、進歩していません)息子は、中1の終わりに私の背を追い越していきました。余計なコンプレックスなど持たず、どんどん大きくなって欲しい、と願ってしまいます…