[118] 秒速2008/03/24 00:14:04

1秒間に移動できる距離…

「スペース・シャトルって、どのくらいの速さで飛んでるの?」と聞かれました。そこで、いろいろなモノの移動速度を秒速で比較してみることにします。物理学では「速度」というと、ベクトルとして方向も問題になりますが、ここでは無視して、単純に「速さ」と思ってください…。

人間の速さ

人間の歩くスピードは、小学校の頃、時速4kmと教わりました。1時間は3600秒ですから、4000m÷3600秒で1.11m/秒となります。まぁ、大雑把に言って1秒間に1mくらいということです。

これが、不動産広告の「徒歩1分」となると、80mと決められています。なので、80m÷60秒=1.33m/秒、と小学校で習ったのよりは幾分速めですね。

さらに、ダイエットのために始めた私の速歩きでは、ほぼ1分間で100mのペースです。したがって、100m/60秒=1.67m/秒。不動産広告標準の1.25倍で歩いています。

ちなみに50km競歩世界記録は、3時間35分47秒というわけで、50000m÷12947秒=3.86m/秒。これが、20km競歩になると、1時間17分21秒となり、20000m÷秒=4.31m/秒。いやぁ、自分ではかなり速く歩いているつもりでしたが、50km競歩でその2.3倍、20km競歩に至っては2.6倍ものスピードです。恐るべし競歩選手

まぁ、ここまでが人間の「歩く」速さです。続いて、マラソンになると、同じく世界記録によれば42.195kmを2時間04分26秒ということで、42195m÷7466秒=5.65m/秒。メッチャ速いです。100mを15秒で走ったとして、6.6m/秒。普通の人が全力疾走するのと、大して変わらないスピードで40km以上も走っています。恐るべしマラソン選手

そして、いよいよ人間の走る最高速…、と言うと100mかと思いきや、スタート時から最高速に達するまでのロスがあるため、実は平均では200mのが速いのです!というわけで、これも世界記録から200m÷19.32秒=10.35m/秒。これより速く移動するのは、何か道具を使わないと不可能なわけです。

地上の乗り物の速さ

さて、次は自転車と思って調べていると、実は自転車はとんでもない速度が出る乗り物だということがわかりました。興味のある人は、こちらのWkikipediaを見てください。

で、とりあえず、自動車ですが、都内有数の幹線道路である環状七号線の制限が40km/hということで、11.11m/秒。人間の最高速度より少し速いくらい…。それが、高速自動車国道の制限である時速100kmとなると、27.28m/秒。だいぶ速くなってきました。続いて新幹線が300km/hとして83.33m/秒。おお、1秒間で100mに近くなってきました。

空を飛ぶ乗り物の速さ

最近のジェット旅客機は、亜音速といわれていて、音速よりも少し遅いくらいです。巡航対気速度で約890km/h、247m/秒であります。さすがに人間は追いつきません。ジェット機に乗っていたら4秒間で1km進んでいると思えばOKです。ただし、あくまで対気速度なので、地面に対する速度(=対地速度)は、追い風か向かい風か?に左右されます。特に冬場は西風が強まるので、東京と九州・沖縄方面との間の飛行時間は、往復で大きく変わることがあります。[078] 帰国でも書きましたが、追い風で300km/h以上も出ることがあり、こうなると対地速度では1200km/hを超えてしまいます

この上になると音速。気温0℃、1気圧で331.45m/秒です。さらにこの上だと、超音速旅客機だったコンコルドで約600m/秒です。

人工衛星の速さ

さて、いよいよ人工衛星です。ところで、「人工衛星って、何故、落ちないの?」という疑問を持っている人、多いんじゃないでしょうか? 実は、人工衛星は落ちています。もしも、落ちていなかったら、ずっと真っすぐ飛び続けて、地球から離れていってしまいます。人工衛星は、落ち続けているので、地球の周りを回り続けているのです。いわば、落ちても落ちても地面に届かない状態が人工衛星です。というわけで、秒速7.9km、すなわち約7900m/秒を超えると、(空気抵抗が無ければ)人工衛星になります。

で、スペースシャトルはというと、だいたい7700m/秒くらい。我が家から職場まで1.5秒で行けます! ちなみに1日で地球を1周する静止衛星だと、もう少しゆっくりで秒速3075mくらい。


表にまとめてみました

光の速さ

で、光は1秒間に約30万km(299,792,458m)と、静止衛星の約10万倍の速度です。先日、夜のフライトで、ちょうど夜空のカノープスが、主翼に反射している光景を見ました。この星で、250光年から310光年の距離と言われています…(文献によって異なる)東京では見ることのできない、この星の、はるか何百年も前に出た光を見ながら、飛行機大スキな私は、なかなか眠れませんでした…


秒速を比較してグラフにしてみました。途中、「時速40kmの車」と「コンコルド」でグラフを切り替えています。なお、「光」は論外に速い(静止衛星を1ミリメートルのグラフにしても、10万mm=100メートル)ので、残念ながら省略です