[138] 携帯鎖国2009/05/31 23:59:01

突然…ですが

日本は、携帯鎖国です。基本的に、日本の携帯電話は、外国で使えません。世界の標準であるGSM方式とは異なるPDC方式を採用しているから。たしかに、最近では海外ローミング・サービスも展開され、海外に持ち出しても使える機種も増えていますが、高額な料金が発生します。

ところが、フツーの海外のGSM携帯だと、旅行した先の国でSIMカードを買って差し替えれば、あーら、その国の携帯電話に早変わり。世界的に見ると、日本と韓国はスタンダードから外れています。

鎖国といえば、かつてのパソコンを思い出します。日本語処理のために特殊なハードウェアを搭載したNECのPC9801シリーズは、日本にPCを普及させる大きな役割を果たした功績者であると共に、世界標準から外れた独自路線に陥りその後のDOS/Vの出現まで不幸な歴史をも同時にもたらした罪人であったと(少なくとも80年代後半頃から90年代にかけての海外事情を知ることになった私は)思っています…

日本の携帯

確かに、PCと携帯とは事情が違う面もあるし、日本の携帯が優れている部分もあるのも事実だと思います。

日本の携帯のが優れていると私が思っている

  • 日本語環境に配慮している(当たり前か…)
  • 各種機能がスゴい(おサイフケータイ、ワンセグ、絵文字、etc.…)
  • 盗難にあっても戻ってくる確率が高い(番号と一体化してるから元の所有者に利用中止されると使えなくなる)

日本の携帯のが劣っていると私が思っている

  • 日本を一歩出た途端に使えない(使えても制限だらけ、高い、etc.…)
  • 本体がキャリアーに依存している(自由な機種を使えない、機種変更が大変、etc.…)
  • 自分で着メロとかを簡単に編集・作成できない
  • 中古市場がない
  • 世界で爆発するSMSしかし日本は蚊帳の外←6月1日追加。日経コミュニケーションズ6/1号で英BTグループのヨン・キム氏のコメント:たしかに…

どちらを選ぶか…

簡単に言えば、日本では豊富な機能を享受する一方で、別の意味の犠牲を払っているのだと思います。恐らく、大多数のユーザーは問題ないのでしょうが私にとっては不満がいっぱい…というわけで、頻繁に出張に出るわけでもないのですが、2月の出張を前に、友人に頼んで海外仕様の携帯をジャカルタから買ってきてもらいました。日本語化ソフト(5千円)を入れると、アドレス帳やスケジュール、SMSも日本語で作成・表示が可能です。これで乗り継ぎのパリでSIMカードを(パリ在住の、これも友人の助けで)購入して日本と通話。その後の出張先のニジェール、チュニジア、ガーナでも現地のSIMカードで、非常に安く日本と通話ができましたもっとも携帯本体の料金も考えたら、まだ2ペイしてないのですが…次の海外赴任(いつになるやら)でフルに使えるのを楽しみに…


入手した(残念ながら日本の一般市場から撤退したNokiaの)E63とフランスのSIMカード
右下はSIMカードの枠?で、実際に携帯に入れるカードは百円玉の左横


次の世代では…

かつてのPCがそうであったように、携帯本体は共通で、同じような仕組みで使えるようになって欲しいものです。少なくとも、今のようなSIMロックで機種とキャリアーを縛るのはやめて欲しい…PDA機能やメニューのわかりやすさ、など個人的にはNOKIAがスキです