[044] 五島プラネタリウム ― 2006/05/15 02:59:42
何を今さら…?
先日[042] 交通博物館→サボで、昨日(2006年5月14日)をもって交通博物館が閉館すると書きましたが、その時、ちょっと触れた五島プラネタリウムの話です。
交通博物館よりもショック
正直な話、渋谷の五島プラネタリウムが2001年3月11日に閉館された時は、今回の交通博物館の閉館よりも大ショック!でした。あまりのショックに思わず私設ファンクラブによる「卒業文集」にまで寄稿してしまいました。
小学生の頃は、毎月、通ってました。前半は「今宵の星空」、後半はテーマが月ごとに変わるし、解説員がライブで解説するので飽きません。大人になって、別のプラネタリウムでpre-recordedの解説を聞いた時は(五島しか知らず、それが当たり前だったから)愕然!としました。ちょうど5月頃は南十字星が比較的見やすいことから、この時期に(日本からは、見えない/見るのが難しい)「南半球の星空」というテーマが、よく取り上げられました。天の南極がある*1「はちぶんぎ座」、シリウスについで全天で2番目に明るい恒星*2「カノープス」のある「りゅうこつ座」、地球に一番近い恒星*3のある「ケンタウルス座」、「とけい座」など、普段なじみのない星座の名前にワク2したものです。北半球の星座にギリシャ神話や生物に関わる名前が多いのに比べ、南半球の星座に道具や船に関わる名前が多いのは、やはり大航海時代の影響でしょう…。
*1先日、ある雑誌で「天の南極は、はちぶんぎ座の近くにある」と記載されてましたが、これは間違い。星座は、星と星を結んだもの(昔は、そうだったけど)じゃなく、地球に経度と緯度があるように空にも赤経と赤緯というのがあって、空はこれに沿って88の領域に区切られている、この領域が星座です。*2太陽は除く。
*3これも、太陽は除く。この星「α-ケンタウリ」は、光の速さで約4年と3ヶ月かかる距離です。ちなみに太陽は、光の速さで約8分20秒くらい。今、この瞬間に太陽が大爆発しても、我々がそれを知るのは約8分20秒後。それで、どーするって、どーしょーもないですね、その時は!
卒業文集から…
自分で5年も前に書いた「卒業文集」の原稿を読み直してみました。うーん、いいこと書いてますよ。引用は避けますが、まぁ、一番言いたかったことは、こんな感じですかね…。
- 悲しい時、悩んでる時は、「あの星の光は何百年も前に出た光で、その頃は自分や自分の親や、そのまた親もいなかった」とか、「太陽だって、いつまでも同じじゃないんだ」と考える
- すると、自分の存在とかが、すっごく小さく感じてきて、その悲しみとか悩みとかは、消えていっちゃう
- 皮肉にも、そんな宇宙とかを教えてくれたプラネタリウムがなくなっちゃうので、悲しくって、涙が出ちゃう
- 数え切れない星の中の地球、その長い歴史の中のわずか44年のプラネタリウムに出会えたことは、奇跡のような偶然だから、幸せだったんだ
朝日の中で微笑んで
遥か彼方の星の輝きに見とれ、宇宙の広大さと歴史に思いをはせる時、頭をよぎるのが1976年11月に発売されたYumingのアルバム「THE 14th MOON」(14番目の月)の4曲目に収録されている「朝日の中で微笑んで」です。こんな「宇宙の片隅で」「めぐり逢えた喜びはうたかた」であり、「つぶやき合う永遠は幻」でしか過ぎないのでしょう。
今、こうして生きている偶然、そんな中でめぐり逢えた偶然…。やっぱり、今、与えられた偶然の中で、自分と自分がめぐり逢えた人たちを大事に、精一杯生きていくしかありません。ジャカルタでは、(せっかく南半球にいるのに)星があまり見えない。今晩は、満月だし、最悪かな?
内容は基本的にそのまま、一部表現を微修正しました。[2010年02月13日]
最近のコメント