[065] ラリーポイント(2) ― 2006/10/02 02:05:28
前回に引き続き…
今回の世界選手権でも採用された、新ルール「ラリーポイント」に関して、もう少し、分析してみましょう。誰も、そんなの期待していない、ってか?…ともかく、世界選手権の男子シングルスの58試合をサンプルとして、検証してみます。
ポイント数と試合時間の関係
ラリーポイントになったので、1試合あたりのポイント数(=ラリー数)と試合時間の間には、高い相関関係(インターバルや他の時間は無視するとして…)があると考えられます。一言で言えば、「試合時間はポイント数に比例する」という仮説です。
グラフ1(写真左上)で、わかるように、かなりいいセン*1にいってますちなみに、左側の固まりが2ゲーム連取で決着がついた試合(以下、「2ゲーム試合」という。)で、右側の固まりが1ゲーム・オールになってファイナルまでやった試合(以下、「3ゲーム試合」という。)ですね。
*1グラフに表示しているのは、Excelの機能で表示されるR2ですグラフ2(写真右上)は、男子シングルスの平均試合時間、平均ポイント数、1ラリーあたり時間で、以下のとおりです。
- 2ゲーム試合(44試合) 28分27秒、 68.7ポイント、24.85秒
- 3ゲーム試合(14試合) 49分39秒、111.0ポイント、26.83秒
- 両者あわせて(58試合) 33分34秒、 78.9ポイント、25.24秒
競り合う試合のラリーは長い?
1ゲームあたりの平均試合時間は、試合時間をそれぞれ2と3で除して…
- 2ゲーム試合は14分14秒
- 3ゲーム試合は16分33秒
それでは、1ゲームあたりのポイント数(=ラリー数)はどうでしょうか? こちらも…
- 2ゲーム試合は34.35ポイント/ゲーム
- 3ゲーム試合は37.00ポイント/ゲーム
さらに、グラフ3(写真左下)で1ラリー(ポイント)あたりに要する時間もみてみましょう。ざっと見ると、なんとなく3ゲーム試合の方が、右側(1ラリーあたりに要する時間が長い)に偏ってる気がしてきました。
そこで、さらに、グラフ4(写真右下)で1ラリーに要する時間と1試合でのポイント数も比べてみましょう。やはり、これも同様の統計手法から、1ラリー平均所要時間は「3ゲーム試合の26.83秒の方が2ゲーム試合の24.85秒に比べ長かった」と言うことができます。 ただし、「1ラリーあたりの所要時間」と「1試合あたりのポイント数」の相関関係は、いまいちですね。
*2一応、F-検定で「両者の分散が同じか」を判断した後、その結果に基づき「等分散を仮定した」/「分散が等しくないと仮定した」t-検定を行って、5%有意で判断しています→もう、25年も前に勉強した(っていうか、授業を受けただけで身についていない)ことを思い出しながらなので、「間違ってるぞ」というご指摘ありましたら、コメントくださいで、結論は?
「2ゲーム(連取)で決着が着いた試合に比べ、1ゲーム・オールになって第3(ファイナル)ゲームにまでもつれこんだ試合の方が、1ゲームあたりのポイント数と試合時間、及び1ラリーに要する平均時間が長い(多い)」ことから「(競り合って)ファイナル・ゲームに突入する試合は、ゲームもラリーも長くなっている」ことがわかりました。
一方で、1試合のポイント数が多いことと、1ラリーあたりの平均所要時間の間には、必ずしも強い相関関係があるとは言えませんでした。「単に点を取り合っているからといって、ラリーも長いとは限らない」ですね! うーん、結論が最後に出てくるなんて、いかにも日本人的レポートでしょうか? なんて、たいした結論ではありませんが……
お断り:この記事の分析はIBFのデータを用いて独自に行ったものであり、結果の正確性を保証するものではありません!また、元の統計の「試合時間」が1分単位であることや、インターバル・汗拭き時間等が考慮されているかさえ不明なため、そもそも、こんな分析自体がナンセンス…かもしれません、あしからず!
内容は基本的にそのまま、一部表現、写真(グラフ)の掲載方法を微修正しました。[2012年04月05日]
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